治療説明
 
厚生省と人口問題研究所発表の「将来推計人口」によりますと、「1997年中に65歳以上の高齢者人口が、15歳未満の人口を上回り、2050年には 3人に1人が老人となる。」と予測しています。 このような高齢社会に対応して、日本歯科医師会では、「8020」運動を全国的に展開しています。湖北歯科医師会も、この運動を積極的に推進するため「ゆりかごから天寿まで一貫した口腔管理をめざす。」 を合言葉に歯科保健に前向きの姿勢で取り組んでおり、さらに今まで行ってきた事業をより充実進展すべきと考えています。  今まで立ち遅れていた老人歯科保健に関しては、今後ますますそのニーズが高まってくるものと思われます。寝たきり老人の健診、口腔管理、在宅診療などは、すでにその準備段階に取りかかっています。 ライフサイクルに応じた口腔管理を行っていく上で老人歯科保健が見落とされていては、その目標は達成されません。湖北歯科医師会としても今後事業として取り組んでいく分野と考えています。 

このような視点から、平成5年度より、老人福祉施設坂田青成苑での歯科口腔健診を行ってきました。初めは施設の職員の方々にも戸惑いや、歯科医師サイドとの意見の食い違いもありましたが、訪問の回数を重ねるにつれ、老人の口腔衛生の維持管理がいかに重要であるかが少しずつ理解されてきたと思っています。

健診の内容、イベント、方針について毎回検討しながら進めて参りました。健診も回を重ね、入所者の方の口腔の実態はおおよそ把握されてきましたが、その一方で治療を希望される人への対応に苦慮いたしました。平成7年度には、一部の人の義歯の修理を行いましたが、その後の調整に問題点を残しました。

また介護者の方の協力が欠かせないにもかかわらず、歯科医師が口腔の清掃や、義歯の洗浄について指導して、歯口清掃の介助の必要性をアピールすることは、介護者の方の立場にすれば、仕事の負担が増えることにほかならず、健診当日は快く協力いただいても、それを継続することはかなり困難なようでした。 しかし口腔環境の改善が入所者の生活の意欲を高め、生活レベルの向上につながってくれば、寝たきりになる人や痴呆になる人を少しでも減らすことができます。4年間のあいだにこのような口腔衛生の重要性に対する理解は得られてきたので、今後それが入所者の口腔に反映されてくるものと思います。

今後もこれらの問題点を考慮しつつ、湖北地域の老人福祉施設入所者の口腔衛生に対する啓蒙と、改善に努めていく必要があると考えられます。

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老人福祉施設で講話する、湖北歯科医師会会長