「高齢者口腔ケアの重要性と注意点」依頼講演|長浜市、米原市の歯科医師会「一般社団法人湖北歯科医師会」

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公衆衛生講演会

「高齢者口腔ケアの重要性と注意点」依頼講演

先日、湖北の介護サービス事業所に依頼をいただき、湖北歯科医師会公衆衛生部理事の瀧上啓志先生が「高齢者の口腔ケアの重要性と具体的な注意点」についての講演をされました。会場に30名、オンライン22名の参加者があり、多くの方に歯科についての知識を深めて頂けたと思います。

高齢者の口腔内は、乾燥しやすく、食べ物が停滞しやすくなります。そのためう蝕や歯周病を認めることも多く、義歯の装着者も多いため不潔になりやすい状態です。口腔内を清潔にすることは、う蝕や歯周病を予防するためだけではなく、食欲を増進してQOL(生きがい、人生の豊かさ)の向上にもつながります。

しかし要介護者の口腔ケアは容易ではありませんので、その方法とポイントを説明する講演会となりました。まず一般的な口腔ケア、歯磨きの方法を説明をしたうえで、要介護者の口腔ケアの特徴について解説しました。まず施術の体位から確認すること、次にケアの手順となります。ケアは一気に完璧を求めるのではなく、現在の状況を把握したうえで無理はせず、できればワンステップ上を目標に進めていくことがポイントです(歯磨きではなくうがいをしている→歯ブラシを使ってみる、歯磨きをしているが清掃状態が悪い→清掃法を無理して変えずに清掃できていない部位を良くする等)。

湖北歯科医師会公衆衛生部 瀧上啓志理事

日本人の死亡原因の上位にもあがっている誤嚥性肺炎と口腔内の状況は密接に関連しています。その発現機序と予防の重要性についても解説しました。肺炎のなかでも誤嚥性肺炎は高齢者になるほど割合が増加していきますが、口腔ケアをすることでその発症率が下がることが知られています。一旦要介護者が誤嚥性肺炎になると、全身状態の悪化により摂食・嚥下障害を起こすことから、さらに脱水・低栄養となることで免疫力の低下・誤嚥を起こしやすく、再び肺炎になりやすいという負のスパイラルに陥りやすいです。肺炎や、その他全身疾患の予防のためにも口腔ケアの重要性を伝えました。

この講演は(一社)湖北歯科医師会へ「歯科口腔保健に関する講演や指導」の講師派遣依頼をいただいて行いました。講演内容はご希望に応じて適宜アレンジ致します。湖北地域・職域の勤労者・学生の健康促進の一助として、この機会にぜひご利用下さい。

公衆衛生部 髙橋幸寛