指しゃぶりについて|長浜市、米原市の歯科医師会「一般社団法人湖北歯科医師会」

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歯は友コラム

咬合育成

指しゃぶりについて

普段診察をしていると、指しゃぶりに関する質問を受けることがあります。質問がある事自体が、指しゃぶりがお顔やお口の中の機能に悪い影響を与えるということを皆さんが知っている証左であるとも言えると思います。

実際、指しゃぶり(専門的には吸指癖といいます。)は、歯並びに対して特に悪影響を与え、顔面形態を変化させることが知られています。具体的には、上下の前歯が噛み合えない状態になってしまったり、出っ歯になってしまったり、下あごが小さくなってしまったりという現象が生じてしまいます。指しゃぶりの期間が長いほど、症状もまた増悪しますので、早期の指導や介入が必要であると言えます。

では、指しゃぶりはいつ頃から気をつければよいのでしょうか。人間は胎児期から指しゃぶりをしていることが知られています。母乳を飲み込む訓練として指しゃぶりをしていると考えられています。実際、生後2~4ヶ月頃まではほとんどの子供が指しゃぶりを行っています。したがって、一般に乳児期(1歳頃)までの指しゃぶりは生理的な現象であり、見守ってあげることが大切です。6ヶ月頃から清潔な玩具を与えて指以外のものでお口遊びをさせてあげることをおすすめします。

1歳をすぎると指しゃぶりは減り始めますが、不安な環境下では何かをしゃぶる行為をしてしまうと考えられています。指しゃぶりによって心を落ち着けるという時期は2歳頃まで続きますので、コミュニケーションの中でやめさせる程度で良いと思われます。しかしながら、まだ、生理的な指しゃぶりの延長ですので、あまり神経質にならずに優しく見守る姿勢が大切です。

3歳を過ぎて指しゃぶりをしている子は、不安に対して敏感である場合が多く指しゃぶりの習慣化に繋がりやすいと考えられます。3歳は子供の歯がすべて生え揃う時期ですので注意が必要になります。指に絆創膏を巻いたり、専用のマニキュアを利用したりして、本人がやめられるように手伝ってあげてください。

5歳頃になっても、指しゃぶりをやめられない場合は、歯科医による治療による介入や専門的な指導が必要となる可能性が高いですので、お近くの歯科医院へご相談ください。