歯肉の赤み(発赤)はこうして起こる|長浜市、米原市の歯科医師会「一般社団法人湖北歯科医師会」

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歯は友コラム

歯周病歯科の科学

歯肉の赤み(発赤)はこうして起こる

「歯垢」*が歯と歯ぐきの間に付着すると、歯ぐきの組織内の細い血管に血管拡張と充血がおこります。血管が拡張する仕組みは、まず「歯垢」中の毒素によって歯ぐきの中の炎症性物質(炎症性サイトカイン)がはたらいて、血管が広げられます。そうすると緩んだ血管に血流が流れ込みます。炎症のある部分には通常の約10倍以上の血液が流れ込みます。歯ぐきが赤く見えるのは、この充血が起こっているからです。

また「歯垢」によって歯ぐきが赤く見えるのはもう一つ理由があり、歯と歯ぐきのすきま、内側の歯ぐきには複雑な網目状構造の細い血管があります。「歯垢」が原因で炎症が起こると血管内が大量の赤血球で満たされるため歯ぐきが赤く見えます。

歯医者に行く前は真っ赤になっていた歯ぐきが、ブラッシングや歯医者のお掃除する機械を使用した後で健康なピンク色に変化した経験がある方がおられると思います。これは炎症の原因の「歯垢」が除去されて歯ぐきの血管が正常な状態に戻ったためと考えられます。

「歯垢」*=デンタルプラークといいます。
プラーク(歯垢)とは、口の中の常在菌とその産生物からなる、歯の表面に付着した白く柔らかな沈着物です。プラークは、食後数時間で形成され、プラーク1㎎の中には10億個以上の細菌が存在しています。プラークは、う蝕(むし歯)や歯周病の原因となるため、これらの疾患の予防には、毎日の口腔ケアを通じて、プラークを取り除くことが基本となります。プラークは、歯の表面だけでなく、歯と歯ぐきの境目にも形成されます。プラークは粘着力があり、水に溶けないため、うがいだけでは取り除くことができません。口の中のプラークを取り除くためには、歯ブラシを使って機械的に除去することが基本です。歯と歯の間に形成されたプラークは、ブラッシングでは取り除くことが困難なため、歯間ブラシやデンタルフロス等の歯間清掃用具で取り除くことがすすめられます。その後、洗口液を使ってもよいでしょう。(e-ヘルスネットより)

MSD Manual にもっと詳しく載っていますよ。
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/18-口と歯の病気/歯周病/歯肉炎