マイクロバイオームとは?|長浜市、米原市の歯科医師会「一般社団法人湖北歯科医師会」

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マイクロバイオームとは?

マイクロバイオームとは?
現在の科学の進歩はヒトと常在菌の共生関係を明らかにし、ヒトと常在細菌を合わせて1つの生命体とみなすことができるという考え方が主流になってきました。そして、常在細菌叢は、ほぼ全てのヒトに共通するヒト固有の菌種と、宿主であるヒトの生活環境やライフスタイルなど様々な要因によって異なる菌種が選択され、その多様性は指紋と同程度であるともいわれています。このような考え方を背景にマイクロバイオームという概念が生まれてきました。この概念は、細菌そのものを意味するのではなく、宿主と細菌の相互作用までも包括しています。

健康とマイクロバイオームの関係

ヒトの身体の中には、約100兆個の細菌が生息しているといわれています。これはヒトの細胞数より多いといわれています。体内に生息する多くの常在細菌は、食べ物の消化、栄養素の合成、病気の予防等、それ自体が病気の原因となる場合もありますが、生きていくうえでは欠かせない働きをしています。

生活習慣と口腔マイクロバイオーム

腸のマイクロバイオームは食生活で異なるという研究結果があります。食生活のなかで、口腔マイクロバイオームへの影響がはっきりしているものに糖質があげられます。むし歯菌のmutans streptococciやlactobacilli等のう蝕関連細菌は、糖質を代謝してエネルギーを得て酸を産生します。糖質の摂取が多くなると、プラーク内の酸が多くなり、酸に耐性のある細菌が増加してしまいます。この酸によりう歯が引き起こされるわけです。