白い歯「CAD/CAM(キャドカム)冠」について|長浜市、米原市の歯科医師会「一般社団法人湖北歯科医師会」

MENU

歯は友コラム

う蝕 むし歯歯科治療

白い歯「CAD/CAM(キャドカム)冠」について

これまでは保険の被せ物といえば『銀歯』が主流でしたが、デジタル技術の進歩によって、保険でも白くて自然な被せ物ができるようになりました。それがCAD/CAM冠です。お口の中を専用のカメラや3Dスキャナーで読み取り、パソコンの画面上で形を設計します。そのデータをもとに、プラスチックとセラミックを混ぜ合わせた頑丈なブロックを、機械が全自動で削り出して作り上げます。

メリットとしては、銀歯に比べて白く目立たない。金属アレルギーのリスクがない。天然の歯に近い硬さで、噛み合う相手の歯を傷つけにくい。金、パラジウムという貴金属を使わないため、価格の変動を受けにくい。

銀歯と違って見た目がとても自然ですし、金属アレルギーの心配もありません。ただ、数年経つとコーヒーやタバコなどで少しずつ変色してくる点や、噛み合わせの力が強すぎると割れてしまうことがある点だけ、事前に知っておいてください。前歯や奥歯といった特定の歯による適用条件もありますので、主治医の先生とよくご相談してください。

——————————————————

CAD/CAM(キャドカム)冠の「制作過程(どうやって作られるか)」と「使われている材料」についてもわかりやすく解説します。

1. 使われている材料について
CAD/CAM冠で使われる材料は、一言でいうと「プラスチックとセラミックを混ぜ合わせたハイブリッド素材」です。正式には「ハイブリッドレジン」と呼ばれます。プラスチック(レジン)の良さ: 粘り強さがあり、適度にしなるため、噛み合う相手の歯を傷つけにくい。セラミックの良さ: 見た目が白くて美しく、ツヤがある。この2つの素材の「いいとこ取り」をした専用の頑丈なブロック(塊)を、機械で削り出して作ります。純粋なセラミックほどの透明感はありませんが、銀歯と比べて圧倒的に自然な見た目になります。
セラミック(フィラー成分):約 60% 〜 80%
レジン(プラスチックの樹脂成分):約 20% 〜 40%

2. 制作過程(どのように作られるか)
従来の銀歯は歯科技工士さんが手作業で形を作っていましたが、CAD/CAM冠はデジタル技術(コンピュータ)を使って効率よく作られます。おおまかな流れは以下の通りです。

ステップ1:むし歯の治療と「支台(しだい)歯」の形成
まずは被せ物の土台となるご自身の歯を整える作業です。

ステップ2:お口の中の「型取り(スキャン)」
昔ながらの粘土のような材料でお口全体を型取りする方法から、近年はデジタル化が進んでいます。小型のカメラのような専用スキャナーをお口に入れ、上下の歯や噛み合わせの状態を秒単位で撮影・記録します。患者さんの負担が少なくなっています。

ステップ3:パソコン上での設計(CAD)
3Dデータの構築: スキャンした立体データがパソコンの画面に映し出されます。自動設計と微調整: 専用のCADソフトが周囲の歯並びや噛み合わせのバランスを計算し、自動で理想的な被せ物の形をシミュレーションします。その後、歯科医師や歯科技工士が「もう少し高さを微調整しよう」「隣の歯と隙間が空きすぎないようにしよう」といった細かい修正を行います。

ステップ4:専用の機械による削り出し(CAM)
設計データが「ミリングマシン」という削り出しの専用機械に送られます。「ハイブリッドレジンブロック」を機械にセットして、全自動で削ります。 機械がドリルを高速回転させ、数十分かけてブロックを削り出し、設計通りの被せ物の形に仕上げます。その後に、研磨(仕上げ)をします。

ステップ5:お口への装着・微調整
完成したCAD/CAM冠を患者さんのお口に合わせます。必要があればその場で少し削って調整します。専用の強力な接着剤(レジンセメント)を使って歯にしっかりと固定します。これで完了です。

保険診療でも、広い範囲で白い歯を入れられるようになったことは、デジタルテクノロジーの進歩の賜物と言えます。一方で今まで歯科技工士さんが培ってきた精密なものづくりの技術が失われるという一面もあります。