「命」をつなぐお口のケア- 災害歯科支援チーム「JDAT」|長浜市、米原市の歯科医師会「一般社団法人湖北歯科医師会」

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歯は友コラム

公衆衛生歯科全般

「命」をつなぐお口のケア- 災害歯科支援チーム「JDAT」

地震や台風などの大規模災害が発生したとき、被災地へと駆けつける医療チームと聞いて、怪我の手当てや心肺蘇生に当たる医師や看護師の姿(DMATなど)の姿を思い浮かべる方は多いでしょう。 しかし、命をつなぎ留めたその先に、被災者の健康を守り、いわゆる「災害関連死」を防ぐために医療支援チームがあります。それがJDAT(Japan Dental Alliance Team:日本災害歯科支援チーム)です。

JDATは2022年に創設された災害歯科支援の専門チームです。歯科医師だけでなく、口腔ケアを担う歯科衛生士や、入れ歯の修理や調整を担う歯科技工士など、歯科のプロフェッショナルがワンチームとなって組織されています。その活動は、命の救出に目処がつく「発災72時間」以降で避難生活が始まる時から本格化します。「水や物資が足りない避難所で、なぜ歯医者さんが必要なのか?」と思われるかもしれません。実は、避難生活におけるお口の環境悪化は、時に命に直結します。特に危険なのが、高齢者に多い「誤嚥性肺炎」です。水不足で歯磨きができずにお口に細菌が繁殖し、体の免疫力が落ちると、唾液とともに細菌が気管に入り込んで肺炎を引き起こします。

過去の大震災でも、災害関連死の大きな要因として問題視されてきました。また、大きな揺れや慌てた避難の最中に「入れ歯を家に忘れてきてしまった」「壊れてしまった」という高齢者も少なくありません。噛むことができなくなると、食事が満足に摂れずに体力が落ちるだけでなく、認知機能の低下や、食べる喜びの喪失による生きる気力の減退にもつながります。能登半島地震や熊本地震といった大規模な災害でも、全国から結集したJDATが自治体や他の医療チームと連携し、被災者のQOL(生活の質)と健康を守るために尽力しました。

災害はいつでも、誰の身にも突然降りかかります。JDATのよう支援チームが現地に届くまでの数日間、自分のお口を守れるのは事前の備えです。防災バッグに歯ブラシや液体歯磨き、歯磨きシートを家族分備えるなど、今できる災害への備えも必要かもしれません。